学校の道徳の教科化(道徳の特別教科)について、ここでは簡単にわかりやすくまとめてみました。
道徳の教科化がいつから始まるのかというと、「小学校では2018年4月」「中学校では2019年4月」から。
道徳の教科化で現場の教師もどうしていいのか戸惑っています。そりゃそうだよね、道徳を教えられるのかって言われたら教えられないもん!
そこでここでは、「道徳の教科化とは」「道徳の教科化をする理由とねらい」「道徳の評価の問題点や課題」について見ていきたいと思います。
道徳の教科化のとは?
安倍政権時の教育再生実行会議が提案し、大津市の中学校で起きた中学生のいじめ問題をきっかけに、道徳を特別教科にするということが決定したというのが表面上の理由です。
なぜ表面上というのかというと、いじめがあったからと言って道徳を教科化する理由にはならないからです。
あくまでこのいじめ問題が理由付けとしてよかっただけで、思惑は他にあると思ったほうが良いと思います。その思惑をここで書くことはテーマとずれるのでやめておきますが…。
道徳の授業は、中学校と小学校で年間35時間(小学校は年間34時間)。
道徳の教科化で変わること
①道徳の教科書が作られる
今までも道徳の教科書はあったと思いますが、それは出版社が作ってる副読本で教科書ではありません。
教科書となるためには、文部科学省の検定に合格する必要があります。
つまり、今後は文部科学省の検査に通った本が授業で使われることになります。
文部科学省=道徳なのか?と疑ってしまうけど。
②評価が必要になる
いままでは通知表に道徳の項目はありませんでしたが、これからは通知表に道徳科の項目が追加され、評価されることになります。
そもそも先生がどうやって子供を評価するの?できるの?と本気で思う。最終的には先生の感想で終わりそうな予感。
なぜ道徳の教科化をするのか?
いじめをなくす目的、思いやりを持った子供を作るという目的がまずあります。
その他にも、
現状道徳の授業が、ただ本をよむだけで、もともと道徳の授業が機能していなかったことがあります。
そこで、今回の道徳の教科化で「自分の頭で考え、議論する」という内容に変えたいという意図があります。
自分の頭で考えることを主眼としている、スエーデンやフィンランド教育などを参考にしたのかもしれません。
ただ、問題は「自分の頭で考え、議論する授業」を現状の教師ができるのか?教師もこのような訓練を受けてきていないので、最初は難しい。
するとどうなるか?
教師も「道徳授業の議論の進め方」のようなテンプレートに従うようになる。その時点で教師が自分の頭で考えることを放棄してるじゃん!って話なんだけど。
ここは教師の質によるところ。
道徳の教科化の評価内容
評価は勉強のように5段階評価ではなく、文章で記述する評価になります。
また、道徳評価は入試の合否判定には使われません。
これが入試の合否判定に使われたら、たまったもんじゃないよね。教師に媚を売る子供が出てきそうだ。
道徳の教科化の課題や問題点
道徳って正しい生き方の規範のようなもの。
大人だって正しい生き方なんてわからないのに、子供の道徳を評価なんてできるはずがない。
そもそも大人が正しい生き方をしていなくて、子供に正しい生き方をしなさいと言うことに無茶がありすぎ。
その上、評価までする怖ろしさ。
先生に反発し続けて、成功した芸術家や音楽家は無数にいる。
まとめ
道徳なんて教えることができないものを、教えなきゃいけない教師は大変だよね。
自分の経験から言うと、道徳のお勉強で人生がよくなったという経験が一度もない。むしろ変な観念が身について、頭でっかちになるだけ。
人生がよりよく変わったのは、やはり人の生き方などを見て、感じて学んできたことが大きい。
道徳って、触れ合って、感じ取るものに近い気が個人的にはする。
子供には、学校にも負けず、先生にも負けず、自分の想いを生きてほしいね。