裁量労働制が国会で審議されています。
裁量労働制はサラリーマンにとってはかなり重大な問題で、見過ごせません。
「裁量労働制はブラック企業促進法だ」「残業代ゼロで長時間働かされる」「過労死が増える」「遅刻早退はOK」など様々な話題が流れています。
それだけ大切な問題である裁量労働制を調べても、難しい言い方で説明されていたりして中々よく分かりません。
そこでここでは、「超簡単!に裁量労働制を説明」したいと思います。
裁量労働制とは?
裁量労働制とは、労働者と企業側で仕事に必要な「みなし労働時間」を決め、その仕事に対して給料を支払う仕組みです。
もっとわかりやすく言うと、
「労働時間で給料を払うのではなく、仕事に応じて給料を支払いますよ」ということです。
裁量労働制を適応するには、労働者と企業側でお互いに合意しなければなりませんし、労働基準監督署長への届け出も必要です。
就職する時に、「裁量労働制に合意しなければ採用しない」という感じになりそうですね。
みなし労働時間とは?
「これくらいの時間で、この仕事をして下さい」それに対して給料を払いますということ。
与えられた仕事を、普通の人が8時間かかるところを5時間でやれば3時間得すると言うもの。
このわかったようなわからないようなフワフワした感じ…。
そもそもとして、仕事量と時間を計算しようがないものに「みなし労働時間」を当てはめているところに無理があります。
裁量労働制のヤバイ所!
例えば、労働者と企業の間で契約を結んだ後に、どんどん仕事量を増やされたら、8時間以上かかってしまい、それでも残業代がゼロ!という事態が簡単に起こってしまう。
このさじ加減の主導権は、全て企業側にある。
大丈夫なのか…。
なぜ、裁量労働制にしたいの?
安倍政治の政策の1つに働き方改革があります。
「長時間労働の解消」や「労働環境の改善」「正社員と非正規雇用者の格差改善」などを掲げているので、そのため「裁量労働制」を取り入れようとしているというのが表面上の理屈です。
ただし、先程説明したように、あくまで主導権は「企業側にある」のです。
政治家は労働者にとって良いようなスローガンを掲げますが、実際の現実は企業側に有利に働く傾向があります。
注意が必要ですね!
裁量労働制のメリット・デメリット
裁量労働制のメリット
- 出退勤の時間帯制限がない。遅刻早退で怒られない
- 能力が高い人に取っては、8時間分の給料を5時間で貰えるなど効率がいい
裁量労働制のデメリット
- 仕事が終わらなかった場合、残業代が出ない!ここがデカイ!
残業代が発生しないので、膨大な仕事量を押し付け、終わらないのは本人の能力が劣るからという論理で過剰に労働させる「ブラック企業」が横行しやすい。
裁量労働制の職種は?
専門的なプロフェッショナル職と言われるもの。
- 弁護士
- 建築士
- 税理士
- 映画やTVなどの監督やプロデューサー
- デザイナー
- 編集者
- 研究職
- プログラマー
など。
これらの職種以外にも、簡単に拡大され、適応される可能性は大きいです。
今後は、営業職なども適応範囲になる可能性があり、営業職は、ドライバーなどどんな職種にも適応可能な言葉なので、危険な香りがしますね。
まとめ
国としても、経団連からしても、なんとか経済を上向かせたいという思惑は一緒です。
裁量労働制にすれば、残業問題で叩かれる心配もないですしね。
裁量労働制は、「会社の体質や考え方」と「労働者と企業の間で最初にどのような契約を交わすのか」ということがかなり大切です。
サラリーマンにとっては、今後も裁量労働制の問題は要注目です!