ネットやニュースで、「台風のたまご(卵)が発生しました」と聞くと思います。
「台風のたまごって何?」「タマゴが発達すると台風になるの?」と、気象に詳しくない多くの人は思いますよね。
なんとなく「台風のたまご」と言うから、今後台風になるものなんだろうというイメージです。
そこでここでは、
- 台風のたまごとは?
- 台風と台風のたまごの違い
- 熱帯低気圧と温帯低気圧の違い
- 台風が消滅するとどうなるの?
について、わかりやすくまとめてみました。
台風のたまごとは?
台風のたまごとは、今後台風に勢力を発達させる可能性がある「熱帯低気圧」のことです!
つまり、簡単に言うと、
台風のたまご=熱帯低気圧
です。
台風のたまごは、台風になる可能性があるだけで確実に台風になるわけではなく、途中で勢力を弱め消滅する場合もあります。
台風と台風のたまごの違い
では、台風のたまご(熱帯低気圧)はどうなったら、台風になるのでしょうか?
実は、台風と台風のたまごの違いは、中心付近の最大風速によって変わってきす。
中心付近の最大風速 | 台風の種類 |
---|---|
17.1m/s以下 | 熱帯低気圧 |
17.2〜32.6m/s | 台風 |
32.7〜43.7m/s | 強い台風 |
43.8〜54.0m/s | 非常に強い台風 |
54.0m/s以上 | 猛烈な台風 |
台風の中心付近の最大風速によって、温帯低気圧〜猛烈な台風まで決められています。
また、m/sの読み方は、メートル毎秒で「1秒間に1メートル進む」という意味になります。
台風のたまご(熱帯低気圧)とは、中心付近の最大風速が「17.1m/s以下」のものを呼び、最大風速が「17.2m/s以上」のものを台風と呼んでいます。
台風の中心付近の最大風速の違いが、台風と台風のたまごの違いになります!
では次に、台風のたまご(熱帯低気圧)と温帯低気圧の違いについて説明します。
熱帯低気圧と温帯低気圧の違い
よくニュースで、「台風が温帯低気圧に変わりました」というコメントを聞くことがあると思います。
台風は弱まると最初の熱帯低気圧に戻るんじゃないの?と思いますよね。
熱帯低気圧と温帯低気圧の違いを知ると、その理由がわかります。
熱帯低気圧(台風のたまご)
熱帯低気圧(台風のたまご)とは、熱帯の海水温が上昇することで水蒸気が発生し、それが集約され渦を巻いて低気圧になったものです。
熱帯低気圧や台風は、あたたかい暖気のみで構成されています。
温帯低気圧とは
温帯低気圧とは、暖気と寒気がぶつかってできる低気圧です。
温帯低気圧では、暖かい空気が上に行き、冷たい空気が下に移動することで、エネルギーを解放し前線を作ります。
違いをまとめると
(出典:ウェーザーニュース)
- 熱帯低気圧は、暖気のみででき、前線を伴わない
- 温帯低気圧は、暖気と寒気ででき、前線を伴う
ということですね!
台風が消滅するとどうなるの?
台風が消滅して、熱帯低気圧や温帯低気圧になりますが、それで「はい安心、ピーカン天気!」とはなりません。
「台風から熱帯低気圧の場合」は、最大風速が弱わまっただけで、大雨の可能性があります。
「台風から温帯低気圧の場合」は、前線ができて風の範囲が広がるので、より広範囲に注意が必要になります。
また、冷たい風の影響で再発達する可能性もあります。
台風が消滅すれば安心というわけではなく、威力が弱くなっただけと思った方がいいですね。
まとめ
台風のたまごは、中心最大風速が17.1m/s以下の熱帯低気圧のことです。
つまり、「台風のたまご」と「熱帯低気圧」は同じ意味を指していて、今後台風になる可能性があるということですね!