転職をする人は珍しくなくなりましたが、いつまでも転職を繰り返す人は多いです。よく言う「転職グセ」というもの。
転職する人は、最初から転職を繰り返そうなんて思ってはいません。いつでも「今度こそこの会社で長続きさせたい!」と思っています。
しかし、転職したくないのに、辛くなって、嫌になって、同じパターンで辞めていく。あるポイントに達すると必ず嫌になって辞めてしまうのです。
嫌なことや、辛いことが乗り越えられません。転職を繰り返す人の「弱さ」はどこから来るのか?
実はこの転職グセには、幼少期までさかのぼる根深い心理的な問題が潜んでいます。私も転職グセで苦しんできたので、ここは確信を持って言えます。
そこでここでは、
- なぜ、転職を繰り返すのか理由や原因の解明
- 転職を繰り返す人の心理や特徴
- 転職を繰り返す旦那(夫)の対処法
についてまとめてみました。
なぜ、転職を繰り返すのか?
まず、転職を繰り返す人の理由をザッと簡単に見ていきたいと思います。
転職を繰り返す動機
- 給料が安い
- 上司が嫌い
- いじめられる
- 人間関係がキツい
- ノルマが大変
- 残業が半端じゃない
- 思っている仕事とは違った
- やりたいことをやらせてもらえなかった
- 仕事が、自分がやりたいことではなかった
大体この辺りが多くの場合、転職理由になると思います。
一見これらは正当な転職理由になりそうですが、実はなりません。
簡単に、これらを論破して行きます。
ちょっとマッチョな論破になりますが、これはこの後説明する「転職を繰り返す原因」をわかりやすくするためにあえてやっています。
転職を繰り返す理由・論破編
理由1:給料が安い
給料が安いのは、最初から分かって入っているので自分の責任です。また、給料が安いというもっともらしい誰もが納得する理由を付けて、本当は人間関係がキツいから辞めたい。ということを誤魔化している場合もあります。
給料が安いならば、自分がその会社で結果を出して、いなくなられては困る人材になって値段交渉をすればいいだけです。
理由2:上司が嫌い
平気で上司が嫌いと言えちゃう人は、相当子供っぽく、傲慢です。
そもそも下っ端のあなたに嫌いとか言えた義理はありません。会社はそもそも上下関係で成り立っています。会社に入ってあなたよりも仕事を知っている上司のことを嫌いと言う前に、上司を理解する必要があります。
また、上司も人間です。あなたの関わり方次第で、いくらでも変わります。あなたの人間関係力や感情コントロール力次第でなんとでもなります。
理由3:いじめられる
ハッキリ言いますが、いじめられる理由はいじめられる側にもあります。いじめる人間とちゃんと向き合わないから、いじめる人間はいじめ続けます。
いじめられる人間が、毅然とした態度で、やめろと言えば良いのです。
問題は、立ち向かえず、内に篭もる自分自身。
理由4:人間関係がキツい
人間関係がキツいのには様々な理由があります。しかし、転職を繰り返すパターンを持つ人は、そもそも人間と関わり合いたくないと思っている場合が多い。
もっと言うと、人間から逃げようとして、会社で自分を閉じています。
理由5:ノルマが大変
この場合はありえないノルマの場合はしょうがないかなと思える場合もありますが…。ただし、ノルマを達成するためにベストを尽くせているのかというのは問われます。
理由6:残業が半端じゃない
会社全体の残業が半端じゃない!この場合もケース・バイ・ケースでしょうがない場合があります。自分だけが仕事が遅いという理由はアウトです。
理由7:思っている仕事とは違った
思っている仕事とは違ったというのは、自分の確認ミスです。
また思っている仕事とは違ったという場合、多くの場合が自分にとって都合よく仕事を解釈している場合が多いです。
例えば、残業がなく、楽で、お金が儲かる。自分にとって理想的な職場なハズというように、無意識にこのような甘えた認識を持っています。
理由8:やりたいことをやらせてもらえなかった
実力があればやりたいことは、やらせてもらえます。他人から見て実力が足りない場合があります。他人は驚くほど正確にあなたを見ています。
この場合は、自己過信に陥っていることと、そもそも「やりたいこと」が明確ではない場合が多いです。
こういう人に、「やりたいことって何?」と聞くと途端に何も言えません。
理由9:仕事が、自分がやりたいことではなかった
これはある程度やってみて、やりたいことと違うなという場合はありえます。ただし、全力でやってみての結論なのかどうかが問題です。
ここまで、ザッと見てきましたが、ここで転職を繰り返す心理的な特徴が見えてきたと思います。
転職を繰り返す人の心理や特徴
先程の転職理由と回答からわかると思いますが、転職を繰り返す人は一言で言うと「弱い」のです。
ただし、弱いのは悪いことではありません。人間は誰もが弱いです。問題なのは自分の弱さを自覚できないこと。
つまり、現実の弱い自分の姿を見ないことと、弱さを自覚できても乗り越えようとしないことです。
そこで、まず転職を繰り返す人の心理や特徴を見ていきたいと思います。
心理1:幼児的依存心・万能感
そもそも自分でなんとかしようという気持ちがなく、自立できず会社や同僚に依存しています。そして、自分が依存していることに気づいていません。
そのため、平気で文句ばかり言えます。
自分が世界で最も大事な人間なのだから、自分のために周りが動け(圧倒的な依存)と本気で思っています。
こういう人の無意識の声をわかりやすく言葉にすると、
- 「俺(私)のために、お前らは奉仕しろ!」
- 「できないなら、お前の文句を言う!」
- 「俺(私)の、思い通りにお前は動け!動くべき!」
です。
ここには、自分が同僚や会社のために何かをしようという意識は微塵もありません。
自分が誰よりも上だと思っており、他人に対して常に命令しています。これを本人は自覚していませんが、周りは「この人間は何様なんだ?」と気づいています。
心理2:自己中心性が高く、他者性がない
幼児的依存心と同根なのですが、自己中心性が高く自分が善で、正しいと思い込んでいます。
そこには、「自分だけが正しく、他人は間違ってる」という意識が存在します。
このような人間は、自分の欲求のためなら他人を物のように扱います。
こういう人の無意識の声をわかりやすく言葉にすると、
- 「自分だけが正しく、他人は間違っている」
- 「だから俺(私)が、他人に命令すべき!」
さらに、
- 「すべては俺(私)の為に、他人を利用する」
最終的に、
- 「自分さえよければいい」「他人のことなどどうでもいい」
という「裸の王様状態」になります。
この心理傾向は、現代社会の至る所に見られます。
例えば、ペットショップ。
犬や猫の生きる権利を冒涜し、狭いケージに押し込め、お金を儲けるために利用するわけです。
自分がその犬や猫の立場だったらどれほど苦しいかという現実に目をそむけ、自分が生きるために、自分の生活や金の為に利用にするのです。
そこには、動物より人間のほうが上で、強く、正しいという傲慢さがあります。
多かれ少なかれ誰もが自分が生きるために、弱者を利用しているのです。その残酷さを自覚できているかどうかが問題。
心理3:現実を見ることができない
現実が見れなくなるのは幼少期から始まっています。
幼少期に親子関係などで、トラウマ的な断絶が必ずあります。
「親から愛されなかった」「興味関心をもってもらえなかった」子供が、親は私を愛してはいないと気づく瞬間は残酷です。
その絶望感に向き合えず、耐え切れず、現実逃避を始めます。
するとどうなるのか、
現実で起こった自分にとって都合の悪いことは、すべて見ない、聞かない、反応しない。つまり、嫌なことなどや都合の悪いことすべてから逃げようとします。
そして、自分の都合の良いことだけに興味を持つようになります。これが行き着く先は、たった一人の自分1人の部屋に閉じこもること。
唯一1人だけの世界に閉じこもることが、自分の万能感を満足させることができる手段なのです。
これが「引きこもり」です。
転職を繰り返す人は、社会に一時は出るが、ある程度すると現実が嫌になり逃げ出して、また1人で引きこもりたくなります。
心理4:成長・成熟できない
このような人は永遠の子供なんです。
自己コントロール能力が全く育っていません。感情面、思考面、愛情面すべてにおいて成長できません。
幼少期から都合の悪い現実から逃げ続け、1人の世界に逃げ続けているので、成熟しようがないのです。
そして、「一人の世界で俺(私)はスゴイ!一番偉い!正しい!」と思っています。そのため、やたらとプライドだけは高いです。
現実世界と関わればその根拠のないプライドは砕けるのですが、本人は現実世界から逃避して、1人の世界で物語を創り上げているので、プライドは壊れません。
これでは成長しようがないのです。
するとどうなるか、
- 身体は成長するが、中身の心が成長しない
- 外見は大人の30歳〜40歳でも中身は3〜10歳の子供
が出来上がります。
ここで考えてほしいのですが、3〜10歳の子供が社会で仕事をやりきる事ができるでしょうか?嫌なことがあったら嫌だ!やりたくない!と思うのではないでしょうか。
外見が40歳の人は表面上は、頑張らなければ!と思っていますが、心は子供なので現実に耐えられません。
そのため、「嫌になったら辞める」という転職をどうやっても繰り返さなければ行けないハメになります。また、このような子供は反省ができません。反省ができないので、同じことを繰り返す他ありません。
そして、頭では転職を繰り返す自分はダメな人間なのではないかと自己否定をさらに強めていきます。
次に、転職を繰り返す人の根本原因を見ていきたいと思います。
まず転職を繰り返す人は、たった一人のファンタジーの世界に生きています。
ファンタジーに生きているので、本当の自分の姿も、現実の社会の姿も見ていません。みているのは脳内の妄想です。
見ているのは妄想なので、現実対処能力が著しく低くなるのは当たり前です。そのため、現実的に弱く、他人に依存的にもなります。
転職を繰り返す人の原因
ではなぜ、ファンタジーに生きてしまうのか?
理由は様々ですが、原因はひとつ、人生の何処かの時点で現実逃避をしたためです。
幼少期の親子関係など辛い現実に絶望し、その現実と向き合わず、現実から逃げて、1人の世界に閉じこもり、ファンタジー・妄想世界に生き始めます。
そして、どこかで現実から逃げた自分に後ろめたさも感じているため、強い自己否定感を必ず持ちます。もちろん自己否定感を親から植え付けられる場合も多いです。
どこかの段階で辛い現実から逃げた自分を知り、向き合わなければならないのですが、ずっと向き合わず逃げ続けるのです。
子供時代や学生時代は現実から逃げることができたのですが、社会で現実から逃げることはできません。
人間関係でのコミュニケーション、仕事の処理能力、仕事で売上を上げる、自分で仕事を作り出さなければならないなど、現実逃避は許されません。
幼少期から現実から逃げ続けてきた人間は、社会に出た途端、突然強烈な現実を突きつけられるので、怯え、逃げざる終えません。
なぜなら、現実から逃げ続けてきた人間は、あらゆる現実対処能力(人間関係を筆頭に)が成長していないからです。
本当は、ここまで来る前に親がなんとかしなければいけないのですが、現代は親が本当にダメです。バカな親が子供を育ててしまうので、もうどうしようもなくなってしまっています。
苦しむのは、現実逃避を続ける本人。
子供はどこかで親に、俺がこうなってしまったのは親のせいだと復讐心を持ち、嫌っています。
この認識はある意味正しいですが、親を恨んでも自分が救われません。だからこそ、自分で自分を教育する必要があります。
ただし、難しいのはこのような現実逃避を続ける弱い人間に、自分で自分を教育することは不可能なことです。そのためこのような人が現実的に生きられるようになるためには、本気で向き合ってくれる他人を必要とします。
現実逃避し続ける人間は、現実である他人を避け続けるので、なんとか逃げずに向き合わなければなりません。
現実逃避を続けた先に待っている世界は、地獄です。
転職を繰り返す人が求めているものは?
転職を繰り返す人は、現実を生きていないのは分かりました。では、彼らは何を求めているのでしょう?
それは、
愛情や承認や関心です。
幼少期に、親から愛情や承認や関心を持ってもらえず、つらすぎて、人間不信に陥り、自分1人のファンタジー・妄想に逃げました。
しかし、妄想では愛情や承認や関心を感じることはできません。そのため妄想に逃げ込んだ人達は、ずっと愛情や承認や関心を他人に求め続けています。
求めてはいますが、現実と関わることは過去傷ついた恐怖があるので向き合えません。そのためずっと妄想に留まり続けます。
ここが悪循環の元。
愛情や関心や承認が欲しいなら、現実世界で人の役に立てばいいのに、それはできない。
彼らの承認のもらいかたは、「自分はスゴイ!」と見せつけることで、他人の役に立つという現実的な方法ではありません。自分の凄さを見せつければ、自分は認められると思い込んでいるイタさ。
常に視点は「自分が」で、相手ではないのです。
幼少期に現実逃避している時点で、現実を恨んでいます。そして、親を含めた他人を恨んでいるので、他人の役に立つという視点は持ちようがなくなってもいます。
妄想世界に生きる人間は、現実を嫌っているので、現実の何かを本当に大切だと思う感性もありません。
悪循環の連鎖が凄まじく、現実世界に復帰するのは一筋縄では行きません。
次に、転職を繰り返すのが身近な、旦那(夫)の場合にどう対処したらいいのか考えてみたいと思います。
転職を繰り返す旦那の奥さんは大変だと思います。
すぐ嫌なことがあるとやめるし、そもそも会社に入った瞬間に辞めたくなっています。そこにあるのは、「自分がつらい!しんどい!大変だ!」という自己中心的な幼児性。
「子供か!」と言いたくなるのもよくわかりますが、彼らは成熟の止まった10歳以下の子供なのです。
周りにいる人間は大変ですが、向き合い続けることが大切になります。
転職を繰り返すのが旦那(夫)の場合は?
彼らが本当に欲しいものは、幼少期に得られなかった、愛情や承認や関心です。
彼らは幼少期に本気で怒鳴り合ったり、喧嘩し合ったりしたことがないです。本気で真正面から他人(現実)とぶつかり理解し合ったことがありません。
本気でぶつかりあうことができることは、愛情のひとつです。
周りにいる奥さんは、とにかく本気で向き合い続けましょう。ぶつかり続けましょう。それが現実に目覚める第一歩になります。
また、「その行為は他人から嫌われるよ」など、注意しても良いと思います。そもそも他者性(現実)がないので。
ただし、相当な時間がかかることは間違いありません。
早く簡単にポンッと変わると思わないで下さい。むしろ、一瞬で急激に変わったと思った場合は、別のファンタジーに酔っている可能性が高いです。
焦らず、じっくり、取り組む他ありません。
転職を繰り返す人の愛情問題
なぜ、ここまで言えるのかと言うと、ここに書いてきたことはすべて自分のことだからです。
転職を繰り返す人が職場に求めているのは、得られなかった家族(愛情や受容)だったりします。しかし、職場は愛情や受容を無条件にくれる場所では最初からないのです。そこを勘違いしている場合も多い。
ずっと愛情を求めている子供なので、会社や他人に愛情を求めてしまうのです。会社をお母さんと思って、助けて、愛してといっているのです。
この自分勝手な願望は必ず、裏切られ、失望し、怒り、会社を辞めることになります。そして、次の愛情をくれる家族を探しに行きます。これは恋愛でもあるパターンで、完璧に愛してくれる彼氏を見つけなければいけない!というのと同じです。
「転職を繰り返す人」=「理想の男を求めて男を変え続ける人」は同じ、メンタル構造を持っていることが多いと思います。
だからこそ、転職を繰り返す人は転職で何かを変えるのではなく、自分の問題の本質を見ることが大切になります。
ぶっちゃけ本当にこの道のりはしんどいです。自分だけではなく、周りにいる人も。ただし、向き合い続けるしかありません。
人間が大人になるには、自分の妄想世界と現実世界の対立から、心が傷つき、その傷と向き合い、自分を知り、現実を知り、対処法を考え、少しずつ心を鍛えていくことです。
心は傷つかなければ成長できないのです。1人の世界に閉じこもって、傷つかないように自分を守ってばかりいては、大人になれません。
これでは、生まれてきた意味がなくなってしまいます。
やるしかありません。