新菌種「ブルセラ症」に長野県の親子4人が感染したという報道がありました。
ブルセラ症は、動物から人に感染する「人獣共通感染症」と言われています。また、別名ブルセラ病とも言われます。
「ブルセラ症を初めて聞いた」
「ブルセラ症は人から人へ感染するの?」
「夏の海やプールで、ブルセラ症に感染する?」
など、様々な疑問があると思います。
そこでここでは、
- ブルセラ症や語源由来とは
- ブルセラ症の症状や感染経路と予防方法
- ブルセラ症はプールで感染するのか?
などの疑問について、わかりやすくまとめてみました。
ブルセラ症や語源由来とは
ブルセラ症(ブルセラ病)とは、主にブルセラ(Brucella)属の細菌に感染した動物から人へ感染する感染症のことです。
動物から人に感染すると、主にインフルエンザに似た症状が出て、発熱や頭痛などの症状を引き起こします。
動物由来の感染症として獣医の世界ではかなり有名な病名です。
ちなみに、ブルセラ症の語源由来は、
ブルセラ症の細菌を最初に発見したのが、イギリス軍医のデイビット・ブルース(David Bruce)だったことから命名されたそうです。
ブルセラ症の症状
ブルセラ症は風邪やインフルエンザに症状が似ています。
★ブルセラ症が軽い場合は、頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛、倦怠感などの症状が出ます
★ブルセラ症が重症化した場合は、脳炎、髄膜炎、心内膜炎、骨髄炎などを引き起こす場合もあるので注意が必要です
ブルセラ症は潜伏期間が長い(5日〜3ヶ月以上)ため、ブルセラ症の感染に気づかないことも多いです。
また、ブルセラ症が軽い場合は、自然治癒するので、ブルセラ症にかかったことも覚えていない場合もあります。
7月25日:長野県
『新種の人獣共通感染症の「ブルセラ症」に、家族4名が感染していた事が判明。40代の母親が高熱を繰り返し、膝の関節痛で検体を調べたら、既存のブルセラ菌とは違う、新種のブルセラ菌を検出。その母親の子供3名も感染』ブルセラ菌は、人から人へは感染しない菌のはずなんだけど。 pic.twitter.com/4COO3dOlkh
— TOHRU. (@TOORU_HIRANO) 2018年7月25日
ブルセラ症の感染経路
ブルセラ症の感染経路は主に動物です。
ブルセラ菌の宿主動物
ブルセラ菌の宿主になる動物は以下
- 犬
- 牛
- 鹿
- 羊
- ヤギ
- ラクダ
- 豚
- イノシシ
- 野うさぎ
- ネズミ
などです。
ブルセラ症の2つの感染経路
①ブルセラ菌汚染の食物
加熱が不十分の食肉やミルク、チーズが特に気をつけたい食品です。
これらのブルセラ菌に汚染された食物を食べたり飲んだりすることで感染します。
②体の傷からブルセラ菌が侵入する
感染した動物や糞尿が、体の傷口や目の結膜から侵入することや、ブルセラ菌に感染している動物に噛まれたり、引っかかれることで感染する場合があります。
一般の方が感染する経路は、主にこの2つが考えられます。
人から人への感染は
人から人へはほとんど感染しないと言われていますが、まれに、性交や授乳で感染する場合があるということです。
ブルセラ症の予防方法と治療方法
ブルセラ症専門の予防接種や薬は存在しません。
そのため予防方法としては、とにかくブルセラ菌に近づかないということになります。
【ブルセラ菌予防方法】
①ブルセラ菌が発生しやすい外国や不衛生な場所では、非加熱の乳製品やチーズ、肉は避ける
②野生の動物などに触れた場合の手洗い、うがい
③ネズミなどの小動物の糞尿の清掃(住環境の掃除)
などが、大切になってきます。
【ブルセラ症の治療方法】
ブルセラ症かどうかは、血液検査をすることでわかります。
ブルセラ症になった場合には、抗菌剤・抗菌薬を投与することで、治療を行います。
抗生剤の服用期間が短い場合は、再発する場合もあるそうなので、ある程度の期間抗生剤を飲み続ける必要があるようです。
ブルセラ症はプールで感染するのか?
夏にプールに行く人も多いと思います。
結論から先に言うと、プールで「ブルセラ症」に感染することはまずありません。
プールには塩素(カルキ)が入っています。
塩素は、プールで伝染する細菌やウィルスを死滅させるので、ブルセラ症の菌も死滅させると考えられます。
また、プールでブルセラ症に感染したというデータも過去にないので、大丈夫!
ブルセラ症を心配せず、プールで思いっきり遊べます!!
まとめ
1970代以降は、環境衛生がかなり改善したため、日本の犬や猫などのペットでブルセラ症に感染している可能性はかなり低いとのことです。
ペットを飼っている人は、安心しますよね。
長野で感染した4名の感染経路は、今後、生活習慣や行動圏内を一部始終聞き取り調査して、感染原因をチェックしていくと思われます。
ブルセラ症が気になる方は、普段からの手洗いうがいをしっかりと行うと良いと思います。