最近、ホンダのアシモ(asimo)の噂を聞かないと思っていたら、なんと開発を終了していたことがわかりました。
日清カップヌードルとホンダ「アシモ」のコラボが今でも懐かしいですね!
ここでは、気になる疑問
- なぜ、ホンダはアシモを開発中止・終了にしたのか
- ホンダのロボット開発の今後はどうなるのか
- ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)社のロボット「アトラス」の凄さ
などを、動画を交えて、わかりやすくまとめてみました!
アシモとは
ホンダ(本田技研工業)のアシモの開発動機は、手塚治虫の鉄腕アトムだったと言われています。
「ASIMO」とは、Advanced-Step-in-Innovative-Mobilityの頭文字を取ったもので、意味は、新しい時代へ進化した革新的移動性となります。
新しいロボット開発をすることで、バイクなどホンダの技術力向上も見込めるという意図もあるでしょう。
2000年から開発が始まり、当時は2足歩行をするヒューマノイドロボットとしてテレビなどでも話題になっていました。
実際にアシモができる動きは、
- 歩行
- 階段の昇降
- 旋回
- ダンス
- 人を追いかけて歩行する
- 握手
- 障害物の回避
- 簡単な対話
- 片足ケンケン
- 両足ジャンプ
- ジョギング
- 水筒のふたを開ける
- 飲み物を注ぐ
- 手話
と、なっています。
ホンダのアシモ開発中止の理由
ホンダから開発中止の理由は語られていません。
しかし、最も大きな理由の1つは、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)社の「アトラスやその他のロボット」ではないかと思われます。
実は、2016年にボストン・ダイナミクス社がアトラスを公開して以後、アシモ公式サイトでの情報の更新がストップしています。
ホンダが、ボストン・ダイナミクス社の技術・開発力にド肝を抜かれた可能性は高いと思います。
実際にユーチューブの動画で「ホンダのアシモ」と「ボストン・ダイナミクス社のアトラス」を見比べると、ちょっとレベルが違うと感じてしまいます。
【ボストン・ダイナミクス:走るアトラス】
【ボストン・ダイナミクス:アトラスのジャンプ】
【ホンダ:アシモの動き】
この動画を見比べるとよくわかりますが、人形ロボットの実用化という面で、「アシモ」は一旦開発を終了したほうが良いという結論になったのではないでしょうか。
2017年に、ホンダは災害現場に特化したロボット「E2-DR」を発表しているので、2017年時点でアシモからE2-DRへと開発が移行していた可能性が考えられます。
【ホンダ:災害現場ロボット「E2-DR」】
アシモ「卒業」
アシモは2022年3月31日、ホンダウエルカムプラザと日本科学未来館での動作デモンストレーションが終了し「卒業」となりました。
アシモは開発が終了されましたが、日本科学未来館ではまだ動いていて、サッカーやダンスなど、都内の小学生などに親しまれていました。
ですが、アシモは完全に実演をが終了し動いているアシモを見ることはもうできません。
ホンダの今後は?
ホンダがアシモの開発を終了した後の方向性は、
- 介護を支援する装着型のパワードスーツの開発
- 転倒防止機能付きバイクの開発
- 災害現場「E2-DR」(原発作業にも期待されている)
などに、力を入れていくと思われます。
ホンダは、自分の強みを活かせるバイク分野と、今後需要が見込める分野に特化していくようですね。
また、ホンダはアバターロボットに力を入れているようです。
まとめ
ボストン・ダイナミクス社のロボットを見た時に、近未来の世界がやってきたと思いました。
それほどまでに、ロボットの完成度が高かった。
それに比べるとホンダのアシモはどうしても劣って見えてしまう。この方向性で行ってもロボット技術競争で勝てないのは明白。
そこで、ホンダは「自分の強みや需要を見極めて特化しようとした」と考えるのが自然に思えます。
(追記)
ホンダの広報部の発表で、「ASIMOという名前になるかは分からないが、ヒューマノイドロボの開発は続ける」とのこと。
ロボット開発チームの解散、規模縮小はしていないそうです。