「他人や自分をゆるす」という時に、漢字は「赦す」と「許す」どっちを使えばいいのか分からなくなりますよね!
キリスト教では主に「赦す」を使っていたり、映画「許されざる者」という場合は「許す」を使っているし、ゆるすという漢字を使う場合の使い分けがよくわかりません。
そこでここでは、
- 許すと赦すの違い
- 許すと赦すの使い方や使い分けを例文で!
それぞれ、わかりやすくまとめてみました。
許すと赦すの違い
「許すと許すの違い」の結論を先に言うと、
【許す】とは、「〜してもいいですよ」と許可するという意味を持ち
【赦す】とは、「罪を犯した相手をゆるす」という意味を持っています
赦すという漢字は【常用漢字外】なので、マスコミや新聞では主に「許す」を使っています。
つまり、どっちを使えばいいかわからなくなったら【許す】を使えばOK!です。
常用漢字とは、新聞や雑誌、教科書など公(おおやけ)で使う漢字を統一させる目安として政府が指定してる漢字です。
常用漢字はあくまで目安であって、「必ず使わなければならない」という強制力はありません。
では、ここから「なぜ、赦すと許すの違いが出てくるのか」に迫ってみたいと思います!
許すが使われる漢字と意味
許す=許可、許可、許諾、許容、免許
すべて許可を出す漢字に「許」が使われています。
つまり、「許可する、受け入れる、認める」という意味合いの場合に「許す」を使います。
赦すが使われる漢字と意味
赦す=恩赦(おんしゃ)・大赦(たいしゃ)・特赦(とくしゃ)・赦免(しゃめん)
すべて、罪をゆるす漢字に「赦」が使われています。
つまり、「罪や刑罰をゆるす、免除する」という意味合いの場合に「赦す」を使います。
許すと赦すの最大の違いは「罪の概念」
許すと赦すの違いをもっとわかりやすく言うと「罪の概念」があるかどうかです。
- 前提に、罪の概念がある場合は、赦す
- 前提に、罪の概念がなく、受け入れる、認めるという場合は、許す
キリスト教には、「原罪の論理」「罪の論理」があります。
- 「人は原罪を背負って生まれてくる」
- 「人間は罪を犯すから、神の代理である牧師に罪を告白(告解)し、罪を赦してもらう」
そのため、キリスト教で「ゆるし」という場合の漢字は「赦し」を使います。
【ちなみに】
過去に私が、人が許せなくて、人間を恨んでいて困った時に参考になった本はコチラ
許すと赦すの使い方(使い分け)を例文で!
次に、許すと許すの使い方・使い分けを例文で見てみましょう!
例文:許すの使い方
- 運転をすることを許す=運転免許
- 医療行為を許す=医師免許
- 通ることを許す=通行許可
こうして見ると、免許や資格関係に許すってよく使われていますね。
「あなたは〜してもいいですよ」という意味合いに「許す」を使っています。
例文:赦すの使い方
- いじめを赦す
- ブラック企業を赦す
- 理不尽を赦す
- 罪を赦す
「あなたが犯した罪をゆるしますよ」という意味合いに「赦す」は使われています。
まとめ
許すと赦すを最後にまとめると、
- 許す=「〇〇してもいいですよ」という許可
- 赦す=「相手の罪をゆるす」という免罪
となります。
赦すという漢字は、常用漢字外なので、一般的に使われるのは許すに統一されています。ただし、赦すを使っても間違いではありません。
わからなくなったら「許す」を使いましょう!