「鉄フライパンを使って見たいけれどお手入れが大変そう…」
鉄フライイパンを使うのを躊躇している理由の多くがお手入れ方法ではないでしょうか?
日々使うフライパンなので、あまり手間ひまかけたり面倒なことはなるべく避けたいと言うのが正直なところですよね。
でも実は、鉄フライパンのお手入れはとっても簡単。
しかも、一生使えて料理上手にもなれるという優れものです。
そこでここでは鉄フライパンの
- 使い始めのお手入れ方法
- 日々(調理後)のお手入れ方法
- 錆びてしまったときのお手入れ方法
などについて分かりやすくまとめてみました。
テフロンフライパンと鉄フライパンの違い
まずはじめに、ホームセンターやスーパーなどでよく見かける「テフロンフライパン」と「鉄フライパン」の違いについて簡単に説明していきます。
テフロンフライパンとは
テフロンフライパンとはフライパンの表面にフッ素樹脂加工を施したものです。
テフロンフライパンは消耗品で寿命は約1年〜3年ほどです。
ちなみに「テフロンフライパン」「フッ素加工フライパン」「ダイヤモンド加工フライパン」「マーブル加工フライパン」はどれもフッ素樹脂加工のフライパンです。
鉄フライパンとは
鉄フライパンとは、鉄で作られたフライパンです。
適切なお手入れをすれば半永久的に使うことができ「一生モノ」といわれることもあります。
「テフロンフライパン」と「鉄フライパン」の違いについてもっと詳しく知りたい!という方はこちらの記事も参照にしてみてください。
鉄フライパンは安全で長持ちでおすすめ
詳しくは上記の参照記事「テフロンと鉄のフライパンはどっちがおすすめ?違いやメリットデメリット」に書いてありますが、毎日の食事で使うフライパンは「鉄」がおすすめです。
おすすめする一番の理由は「安全だから」です。
テフロンは、料理の仕方によっては知らず知らずのうちに有害物質を発生させ体内に取り入れてしまう危険性があります。
発がん性、未熟児や胎児の奇形などの可能性が指摘されています。
身体に取り入れるものを料理するフライパンだからこそ安全なものを使って欲しいと思います。
また、大切に使い続ければ「一生使える」というのもおすすめしたい理由の一つです。
鉄フライパンのお手入れ方法
鉄フライパンはお手入れは「使い始め」「日々(調理後)」の2パターンあります。
行う前はドキドキしますが実際にやってみると意外と簡単です。
この2つのお手入れをしっかりと行っていれば焦げ付きや錆びの心配もなく快適に鉄フライパンを使いこなすことができます。
使い始めのお手入れ方法(焼き込み、油慣らし)
鉄フライパンを購入後初めて使うときは「焼き込み」「油慣らし」が必要です。
この一手間はこれから鉄フライパンを使い続けるためにとても大切な工程です。
理由は2つ。
- サビ防止加工を取り除くため(焼き込み)
- フライパンの表面に油膜を作るため(油慣らし)
1.サビ防止加工を取り除く
一般的に鉄フライパンは、「クリヤラッカーコーティング」と呼ばれるアクリル樹脂を塗ってサビ防止をするという加工が施されています。
コーティングの目的は「購入者の手元に届くまでに鉄フライパンが錆びてしまわないようにするため」です。
実はこのクリヤラッカー、高温になると有毒ガスを発生します。
そのため、鉄フライパンを使う前は「焼き込み」が必要です。
ちなみに私が実際に使っている鉄フライパン「turk(ターク)」はラッカーコーティングされていません。
製造後は食用のオリーブオイルを塗って出荷されているので、使用前に「油慣らし」を行えばOKです。
2.フライパンの表面に油膜をつくる
鉄フライパンを使い始める前に「油慣らし」を行っておくと、フライパンの表面がなめらかになり油が馴染みフライパン表面に油膜が作られます。
油膜が作られると焦げ付きにくくなり、さらに錆びも起こりにくくなります。
鉄フライパンの製造メーカーによっては事前のお手入れが必要のないものやお手入れ方法の工程が違う場合もあるので説明書などを確認して行うようにしてくださいね。
では、さっそく「焼き込み」と「油慣らし」の実際のお手入れ方法をご紹介します。
「焼き込み」の方法
クリヤラッカーコーティングがされている鉄フライパンははじめに「焼き込み」を行ってから「油慣らし」を行います。
【用意するもの】
- 中性洗剤
- スポンジ
- 植物性油
- キッチンパーペー
「焼き込み」の手順は以下の通りです。
【焼き込みの手順】
- 鉄フライパンを中性洗剤と金たわしで洗い、水気を拭き取る
- フライパンを加熱する(中火⇒強火)
- フライパンを熱し続ける
- フライパンを冷ます
- 中性洗剤と金たわしで洗い水気を拭き取る
焼き込みの注意点:加熱する際は換気必須です。
手順1:鉄フライパンを中性洗剤で洗う
まずは鉄フライパンを食器用中性洗剤と金たわしを使って洗います。
洗い終わったら水気を拭き取ります。
手順2:鉄フライパンを加熱する
フライパンをはじめから強火で加熱中火で加熱すると変形することもあります。
始めは中火、温まったら強火にします。
手順3:煙が出るまで加熱を続ける
クリヤラッカー塗装を気化させるため煙が出るまで加熱を続けてます。
気化する際は煙とともに「匂い」もします。必ず換気して行うようにしてください。
手順4:フライパンを冷ます
加熱後は自然に冷えるまでフライパンはそのままです。
熱いままのフライパンに水をかけると鉄フライパンは変形することもあります。
手順5:中性洗剤で洗う
フライパンが冷えたら、食器用洗剤と金たわしで鉄フライパンを洗い水気を拭き取ります。
この工程が一通り終わったら続いて「油慣らし」です。
油慣らしは手順の「2」から行ってください。
「油慣らし」の方法
「油慣らし」のみでOKなフライパンの方は最初から、「焼き込み」が必要な方はまず焼き込みを行い、「2」から行います。
【用意するもの】
- 中性洗剤
- スポンジ
- 植物性油
- 野菜の切れ端や皮など
- 塩
- キッチンペーパー
続いて「油慣らし」の手順です。
【油慣らしの手順】
- 中性洗剤で鉄フライパンを洗う
- フライパンの1/3まで油を入れ、あまり野菜と塩も入れる
- 弱火〜中火で5〜10分加熱する
- あまり野菜を取り出し残った油を拭き取る
手順1:中性洗剤で鉄フライパンを洗う
中性洗剤でフライパンを洗い、表面のゴミなどを取り除きます。
手順2:油(1/3の深さまで)とあまり野菜・塩を入れる
フライパンに植物油をたっぷり入れ、野菜の皮やあまり野菜を入れます。
…ちなみに、水気の多い野菜は油がはねます。今回はキャベツの外側の葉でやりましたが「バチッバチッ」と。
人参の皮など水分少なめの野菜がおすすめです。
手順3:5〜10分加熱する(弱火〜中火)
弱火〜中火で5〜10分加熱を続けます。
木べらで野菜と塩を炒めるようにしながら、フライパンの縁も含め全体に油をなじませていきます。
目安は入れた野菜がコゲコゲになるまでです。
手順4:野菜を取り出し油を拭き取る
野菜を取り出し、キッチンペーパーで油を拭き取れば油慣らし終了です。
油慣らしは購入して使い始める前に一度行えばOKです。
行う前はとてもドキドキしますが、実際にやってみるととても簡単で拍子抜けします。
日々の(調理後)のお手入れ方法
調理した後のお手入れは、使い始めよりももっと簡単です。
【用意するもの】
- アルミたわし
- お湯
お手入れの手順もとてもシンプル。
【調理後のお手入れの手順】
- お湯とアルミたわしで汚れを落とす
- 火にかけて水気を飛ばす
- (油を塗る)
※3は必要ない鉄フライパンもあります。
手順1:お湯とアルミたわしで汚れを落とす
調理が終わったらなるべくすぐフライパンを洗います。
この時、熱いフライパンに冷たい水を入れるとフライパンが変形してしまうこともあるのでお湯やぬるま湯がベストです。
…でも実は、たまに、お水で洗ってしまうこともありますが特に変形する様子もなく快適に使えています。
鉄フライパンは丈夫です!あまり神経質にならなくても大丈夫。
アルミたわしの使い方
アルミたわしとは金属タワシ、カネたわしとも呼ばれる鉄やステンレスなどを細く加工しぐるぐるっと丸くまとめて作られたたわしです。
鉄フライパンを洗う時によく使われます。
使い方は汚れをお湯一緒にゴシゴシこするだけ。
とっても簡単です。
ただ、アルミたわしを使うときは次の点に注意が必要です。
【アルミたわしの注意点】
- アルミたわしの破片が食材に混入しないようにする
- 傷がつくと困るものには使わない
アルミたわしは使い始めはしっかりまとまっていますが、使い続けると崩れて破片が取れることもあります。
この破片が食材に混入し食べてしまうという事故が以前飲食店で発生し問題になりました。
崩れてきたら新しいものに買い替えレバ問題なし。
安くて洗浄力抜群のアルミたわしは鉄フライパンの強い味方で重宝します。
手順2:火にかけ水分を飛ばす
汚れが落ちたら水気を軽く拭き取り中火にかけ、十分に水分を飛ばします。
水分が残ったままにしておくと錆の原因になるの
手順3:油を塗る
水分が十分に飛んだら鉄フライパンの表面に植物油を薄く塗って終わりです。
フライパンによっては最後に油を塗らなくても良いものもあります。
ちなみに「turk(ターク)」はいりません。なぜなら
「鍛造(たんぞう→鉄を叩いて伸ばす)を繰り返して作っているため始めの油慣らしで油が馴染みやすいため」とのこと。
…ですが私は「焦げ付き防止」「サビ防止」の理由から毎回つい油を塗ってしまいます。
turk(ターク)は焦げ付くことも、錆びることもなく使い勝手バツグンです。
鉄フライパンの焦げ付きの7つの原因
最後に鉄フライパンの焦げる原因についてまとめてみました。
「鉄フライパンは焦げ付きやすい」と聞いたことがある方もいますよね。
この6点に気をつければ鉄フライパンは実は他のどのフライパンよりも使いやすいので参考にしてみてください。
【焦げ付きの7つの原因】
- 使い始めの油慣らしが不十分
- 調理後のフライパンを洗剤で洗う
- きれいに洗いきれていない
- 調理後に洗わず放置している
- 油の量が少ない
- 温度が低いまま調理している
- 火が強すぎる
原因1:「油慣らし」が不十分
鉄フライパンは使い始める前の「油慣らし」が不十分で、フライパンに油がうまく馴染んでいないと焦げ付きやすくなります。
【どうすればいい?】
とにかく最初の「油慣らし」だけは時間をかけて丁寧に行ってください。
鉄フライパンの使い心地が良くなるかどうかは始めが肝心です。
原因2:洗剤で洗っている
調理後のフライパンを洗剤で洗ってしまうと、せっかく馴染んできた油が取れてしまいます。
「汚れがひどいから…」と洗剤であらうと焦げ付きの原因になります。
【どうすればいい?】
ひどく感じる汚れも調理後すぐにお湯とアルミたわしでこすればきれいになります。
よっぽどの事態で洗剤を使ってしまったときはフライパンを火にかけ水分を飛ばし油を塗って置くのを忘れずに行うようにしましょう。
原因3:きれいに洗えていない
落としきれずにフライパンに残っていた洗い残しや汚れが焦げ付きの原因になっていることもあります。
【どうすればいい?】
丁寧に洗う!これだけです。
原因4:調理後すぐに洗っていない
調理後すぐに洗わず放置すると汚れが落ちにくくなり、フライパンに汚れが残ってしまうことがあります。
この汚れが焦げ付きの原因になる可能性も高いです。
【どうすればいい?】
調理後はなるべくフライパンが温かいうちに洗うようにしましょう。
すぐに洗ったほうが汚れがスルッと落ちるので簡単にきれいになります。
原因5:油の量が少ない
油の量が少ないと鉄フライパンは焦げ付きやすくなります。
【どうすればいい?】
そのままですが、多めの油でフライパン全体に油が馴染んでいる状態で料理します。
原因6:温度が低いまま調理している
フライパンが温まっていないまま調理を始めてしまうのも焦げ付きの原因のひとつです。
【どうすればいい?】
フライパンの表面に手をかざし熱くなっているのを確かめてから食材を入れるようにしょましょう。
原因7:火が強すぎる
火が強すぎてフライパンが熱しすぎるのも焦げ付きの原因になります。
白い煙が出てくるのは熱しすぎです。
【どうすればいい?】
煙が出てきてしまったら一度火を止めてフライパンを冷ましてから調理するようにしましょう。
鉄は「蓄熱性」があるので弱火〜中火の火加減で大丈夫です。
もちろん、料理によっては多少焦げ付くこともありますが、この7点に注意すればお湯とアルミたわしできれいになります。
鉄フライパンは使えば使うほど油が馴染み焦げ付かなくなります。
数年ごとに買い替えが必要なテフロンに対し、年数を追うほどに使い勝手が良くなるのが鉄フライパンです。
まとめ
鉄フライパンのお手入れは大変そうに見えるかもしれませんが実はとっても簡単です。
実際に使い続けて数年経ちますが、始めの頃ドキドキしながらお手入れしていたことが嘘のように料理の一部になっています。
鉄フライパンはお手入れをしっかりしていれば一生使うことができる優れものです。
「この鉄フライパンは一生モノ」と思って使うと大切に思う気持ちも深く、愛着も湧くのでより丁寧に扱うようになってきます。
「鉄フライパンが気になる」という方はぜひ一度使ってみてくださいね。おすすめです。