改正労働者派遣法が施行され、その効果が現れるのが2018年9月。
その期日を前にして、「派遣社員(勤務3年間近)の雇い止め」が増えているとのこと。
「なぜ、ここにきて長い間働いてきた派遣社員を企業は切るのか?」
ここに、2015年に施行された改正労働者派遣法が関係しています。
「改正労働者派遣法って何?」と知らない方も多いですよね。
そこでここでは、
- 改正労働者派遣法の内容とは!
- 改正労働者派遣法2018年問題「派遣社員雇い止めの理由」
- 改正労働者派遣法のメリット・デメリット
について、わかりやすくまとめてみました。
改正労働者派遣法とは
2015年に施行された改正労働者派遣法は、派遣社員が安定して働けることを目的に作られました。
メインの内容はズバリ!!
というもの。
改正労働者派遣法の詳しい内容は以下
派遣社員で3年以上働いた人は、
- 派遣元と本人で話し合い、相手先企業に直接雇用を依頼できる
相手先企業が、これを断り実現されなかった場合、
- 派遣会社が新たな派遣先を提供すること
- 派遣会社で無期雇用すること
- 安定した雇用の継続が確実にできる措置図ること
の、いずれかを行うとなっています。
以上の内容が、改正労働者派遣法の内容となります。
では、次に2018年問題の真相に迫ってみたいと思います。
2018年問題の派遣社員雇い止め!
2015年9月にこの改正労働者派遣法が施工され、それから3年間派遣社員で働いてきた人は、2018年10月にこの権利を使用することができます。
正社員として雇用したくない会社は、派遣社員がその権利を行使できるようになる前に、派遣社員を切るのです。
その結果として、
があります。
それを改正労働者派遣法の2018年問題と言います。
改正労働者派遣法では、派遣先企業で正社員として雇ってもらえない場合の対策として、派遣会社が派遣社員を無期雇用する。
と書いてありますが、そんなことをする派遣会社はほとんどいないと考えられます。
派遣会社の対策としても、次の新たな派遣先を探すことを選択するでしょう。
改正労働者派遣法のメリットデメリット
結局、改正労働者派遣法を作ったとしても、最後の判断は企業次第です。
改正労働者派遣法は、多くの企業が3年以上働いた派遣社員を、正社員として雇ってくれるだろうという想定のもと考えられています。
確かに、雇う会社もあると思います。
派遣社員から正社員になれたら、保険や年金などの福利厚生がよく、かなりのメリットになります。
しかし、そもそもの前提として、「なぜ企業は派遣社員を雇いたいのか?」と考えると現実が見えてきます。
企業が派遣社員を雇いたいのは、
- 正社員よりも安く働いてくれる
- 正社員は簡単に辞めさせられないけど、契約社員は企業の都合で解除できる
ためです。
正社員が欲しかったら、最初から正社員を雇います。つまり、そもそも正社員を求めていないのです。
となると、どういう現実が起こるのか?
正社員はいらないので、契約社員3年になりそうな人から、雇い止めしていくことになります。
これは、
仕事の戦力になってきた派遣先の企業としても本当はデメリット!
また、仕事に慣れてきた派遣社員としてもこの制度がなければ、ずっと働けただけにデメリット!
となります。
政府は、なんだかんだと法整備をやたらとやりますが、最後は企業倫理に行き着きます。
- 企業が、派遣社員ではなく、損しても正社員を取りたいと思うのか
- 企業が、売上をとにかく伸ばしたいので、使い捨ての派遣社員でいいと思うのか
ここが最も大事なポイントになります。
まとめ
経営が厳しい企業とすると、「派遣社員は欲しいけど、正社員はいらない」という理屈もわかります。
昔のような「年功序列の賃金」や「終身雇用制度」が崩壊した日本で、今後働き方はどの様になっていくのか。
また、派遣社員の2018年問題が深刻化するのかどうか、今後の企業の動きを注視していく必要があります。