依存心が強い人は、かなり多いと思っています。自分は依存心などないと思っている人でも、無意識的に持っていたりします。
これは、日本の教育や文化とも関係していて、幼少期から甘やかされて育ち、親に自立させてもらえず、親と共依存関係に陥っているパターンも多いです。
依存心の強弱は、この幼少期の親子関係がどのようなものであったかが重要なポイントになります。
そこでここでは、「健全な依存と病的な依存心とは」「依存心が強い人の特徴や原因」「依存心をなくす方法」などについてまとめてみました。
健全な依存とは
人間は、生まれてから12歳位までは、親に依存しなければ生きていけません。
おむつを変えてもらったり、食べ物を与えてもらったり、生活全般のお世話をしてもらいます。
ここまでは、健全な依存です。
病的な依存心とは
問題は、ここからです。
辞書を見ると、依存心とは「人にたよる」気持ちとなっています。
子供はどこかで依存心をなくし、自立し、大人にならなければなりません。
そのためには、親が自分でできることは自分でやらせたり、生きる上でやってはいけないことなどを厳しく躾ける必要があります。
ところが、この躾がまったくできなくなっているのが現代日本。
これは戦後教育から始まり、団塊の世代では「子供のやりたいようにやらせることが正しい」「個性教育だ」という風潮が広まり、誰も躾けることをしなくなったのです。また、親も何が躾なのかわからなくなってしまいました。
そのため、年齢が大人になっても、社会や他人を自分の親と間違えて、依存しようとする現象がいたるところに起きています。
親はなんでも望みを叶えてくれた、だから他人も社会も自分の望みを叶えてくれるものだと思い込んでしまうのです。
依存心の原因は?
問題は親が子供を精神的に大人として自立させてあげられていないことです。
「お前はもう子供ではない、大人として扱います」という区切りがないと、子供は大人になれず、子供のまま生きてしまうことになります。
特に親の問題として大きいものを上げたいと思います。
親の過干渉
親が子供の意志と関係なく、あらゆることを先回りして全部やってしまいます。子供が問題を解決する前に、親が問題を解決してしまうのです。
親の時間がなく、子供がダラダラしていると、先回りしてやったほうが楽なのはわかりますが、それによって子供があることを学びます。
それは、「他人が自分のことをすべてやってくれる」という思い込みです。
さらに、「自分が駄々をこねれば、できないと言えば、他人がやってくれる」と思っている子供もいます。
この観念は親だけではなく、他人や社会に出ても同じように働くので、本人は思うようにならない環境に対して文句ばかり言うようになります。
本当は社会に出て、他人と関わって、思うようにならないのは当たり前なのですが、幼少期に親がなんでもやってしまったがために、それがわからなくなっているのです。
間違った受容
すべて「子供の個性だから」で片付け、子供の自己中心的な悪い部分まで受容してしまっています。
実例で例えたいと思います。
他人の家に泊まった子供が、朝食で「また卵焼きか〜」と文句を言いました。
それに対して、「嫌なら食うな!」と、それを注意する人が誰もいないのです。
おそらく、この子供の発言のおかしさにも気づけなくなっています。
この子供の「また卵焼きか〜」という発言の裏にはすでに子供の万能感・王様気質が見えます。
つまり、この子供は「朝食は自分の思い通りのものを出すべき!」という甘えた観念がすでに存在し、料理を作った人への感謝もなければ、他人も見えておらず、自分が食べたいものではなかったという自己中心的な言葉です。
当たり前ですが、このような子供は人から嫌われます。
幼少期にこれが許されると、子供の万能感は更に強まり取り返しがつかないレベルまで達します。大人になって、この万能感を崩すのは本当に大変!
これは子供が可愛そうです。
親が子育ての本質を忘れた
親の子育ての責任は、恥ずかしくない自立した人間を社会に送り出すことです。
なぜなら、自立しない、依存的で自己中心的な人間は社会で疎まれ、嫌われるからです。
しかし、その責任を忘れ、
- 親が子供から好かれようとしたり、
- 親が子供に媚びてみたり、
- 親が子供を支配しようとしたり、
- 親が子供を自分に依存させよとしたり、
します。
すべてが親のための子供なのです。
子供がしっかりした大人になるための親ではないのです。
では、次にこのような親に育てられてた子供がどのような大人になるのか特徴を紹介します。
依存心が強い人の特徴は?
自発性がなく常に受け身
他人になんとかしてもらおうとするので常に受け身です。また、相手をコントロールするために弱者を演じる場合も多いです。
また、答えを自分で導き出さず、常に答えを他人からもらおうとします。
自信や自尊心がない
幼少期から自分で何かを決めず、常に親の判断や周りの判断にしたがって生きてしまうので、自信や自尊心が育ちません。
被害者意識が強くなる
依存心がある人は、必然的に被害者意識が強くなります。
依存心から他人になんとかしてもらおうとしますが、他人は親ではないので、その人の思い通りになるわけがありません。
その思い通りにならない他人や環境に、腹を立て、文句を言います。
「なんで世界は自分の思い通りにならないのだ!」「自分の思い通りになれ!」「自分の思い通りになるはずだ!」と怒りだすのです。
自分がわからない
依存心が強い人は、すべてを他人に頼り依存して生きてきたので、自分を知りません。
自分は何でもできるという万能感だけが強く、本当の自分が見えないのです。
自分はなんでもできるという万能感を支えていたのは、親がなんでもやってくれたからで、本人の実力ではありません。
このような人は、自分がやっていることが見えないのです。
感謝ができない
依存心が強く、やってもらうことが当たり前になっている人間は、感謝はできません。
「他人にやってもらう」ことが当たり前の設定になっているので、逆に「他人がやってくれないこと」「他人がやってくれても自分の思い通りじゃないこと」に対して文句を言い出します。
また、「あれもやってくれない」「これもやってくれない」と常に文句を言う人間になってしまうのです。
このような人間は悲劇ですが、本人は気づけないのです。次に、根本的な部分をまとめてみました。