「ネジの「3分(サンブ)」「4分(ヨンブ)」は何を意味しているの?」
DIYや家具などの修理でネジを探していて疑問を持つ方は意外とたくさんいるのではないでしょうか。
間違ったネジを使うとうまくはまらないなど家具などをダメにしてしまう可能性もあるので正しいサイズのネジを使うことはとても大事です。
でも、素人には、ネジって意外とややこしく違いがイマイチよくわからないですよね。
そこで、ここでは
- ネジとボルトの違い
- ネジの「インチ」「ミリ」の関係
- ミリネジ とインチネジ
- ネジの「3分」「4分」の意味
- ミリネジ インチネジの互換性
についてまとめてみました。
ネジとボルトの違いとは?
まずはじめにネジとボルトの違いからご説明していきます。
知っているようでいて実はよく知らないのが「ネジ」と「ボルト」の関係。
これは「ボルト」です。
あれ?そうするとネジってなんだっけ?という方もいますよね。
下のネジネジしたらせん部分が「ネジ」。
そして、上部にあるきのこの頭のような部分が「ヘッド」。
ネジの仕組みを利用してもの同士を固定する「ネジ」と「ヘッド」の2つが組み合わさって「ボルト」です。(ボルトの中にはヘッドのないものもあります)
ちなみにこれはナットです。
外側にネジネジがあるものが「ボルト」、内側にネジネジがあるものが「ナット」になります。
ネジの「インチ」「ミリ」の関係
そして次にご説明するのが「インチ」「ミリ」の関係です。
タイトルの「3分(サンブ)や4分(ヨンブ)の意味」を知るためにはまず最初に
「インチ」「ミリ」の関係を知っておくことが大切になってきます。
なぜかというと、「「ミリ」の方は◯分という表現を使わないから」です。
「ミリネジ(メートルネジ、ISOネジとも呼ばれる)」→日本で主に使われる
「インチネジ(ユニファイネジ、ISOインチネジとも呼ばれる)」→アメリカ・カナダ・イギリスで主に使われる
国によって使っている長さの単位で使われるネジが決まっている場合が多いです。
使用している長さの単位の一例をあげてみると…
日本、ヨーロッパ→ミリやセンチといった「メートル法」
アメリカやカナダイギリス→フィートやインチといった「ヤードポンド法」
使用しているネジと一致していることが分かりますよね。
先ほども書きましたが、「◯分」を使うのはインチネジだけです。
日本で主に使われる「ミリネジ」には使うことはありません。
日本で使われる「ミリネジ」とは
日本で使われる「ミリネジ」とはネジの太さなどをミリで単位を表しているネジのことです。
「メートルネジ」「ISOネジ(ISO規格を基準にしているため)」とも呼ばれています。
ネジ業界ではセンチ(cm)は使わずにミリ(mm)で単位を表し、「M6」など頭に大文字でMをつけることでネジの太さを表しています。
例えば上記の写真の「M6×20」の詳細はというと…
ということになります。
なぜ「約◯ミリ(mm)」なのかというと、ネジの長さは基準は決められていますが全てがぴったり同じ寸法ではなく、それぞれ長かったり短かったり若干の違いがあるためです。
ちなみに、最初にご説明しましたが、ネジとはヘッド部分のことではないくネジネジのらせん部分のことなので直径を測るときは間違えないように注意してくださいね。
ミリネジの「並目」と「細目」
ミリネジを探していると「並目」「細目」と2種類のネジが出てくることもあります。
もうなんかいろいろややこしい!…ですが覚えてしまえば簡単。
「並目」と「細目」の違いはネジネジのらせん部分の大きさです。
上記の写真の右側が「並目」、左側が「細目」になっています。
並目→一般的なネジです。通常使われるネジのほとんどは「並目」です。
細目→並目よりもネジ部分が小さくなります。
DIYなど家庭で使う場合は「並目ネジ」がほとんどなので、「細目ネジ」を使うことはないかもしれませんが覚えておくと何かと便利です。
アメリカ・カナダ・イギリスで使われる「インチネジ」とは
アメリカ、カナダ、イギリスなどで主に使われる「インチネジ」は、ネジの太さなどをインチで表しているネジのことです。
「ユニファイネジ」「ISOインチネジ」とも呼ばれています。
外国で使われることの多いネジなので輸入家具や自動車やバイクなどに使われていることが多いです。
インチネジの記号は2種類あり「並目」「細目」に分かれています。
UNC→並目ネジ
UNF→細目ネジ
例えば上記の写真の「UNC1/2 × 1”3/4 13山」の詳細はというと…
ということになります。
「メートル法」しかほとんど使わない日本で暮らしているとい「…?????」となりますよね。
ミリになおしてみましょう。
「1インチ=25.4mm」なのでこの数字を基本にして計算するとこうなります。
【ネジの太さ】「1/2」→(25.4×1)/2=12.70(mm)
【ネジの長さ】「1”3/4」→ 1インチ+3/4インチ
3/4インチは、25.4÷4×3=19.05ですから、25.4+19.05=44.45ミリ 44.45(mm)
インチが単位の「ウィットねじ」とは
インチねじを調べていると表記が「W」の「ウィットねじ」が出てきます。
「インチ」が単位のウィットネジが使われていた頃もありますが、日本では1968以降、国際規格の「ミリネジ」も以降したため廃止になりました。
水道関係や建築関係など一部では現在も使われているようですが、使用箇所はとても少なくなっているようです。
ネジの3分(サンブ)4分(ヨンブ)の意味とは?
インチネジ の「◯分」とは…
1インチよりも小さい単位を、1インチを基準に「1/8単位」で区切ります。
分母を8として分子を呼び名に「◯分(ブ)」と表します。
なので、タイトルにある「ネジの「3分」「4分」の意味とは
ネジの太さが3/8インチ→「3分(サンブ)」のネジ
ネジの太さが1/2インチ→「4分(ヨンブ)」のネジ
です。
分母を8に直さなくてはいけないのでちょっと混乱しますよね。
分かりやすく「分」で表されるインチネジ だけを表にしてみました。
インチ | 分表記 | 備考:分母を8にする |
---|---|---|
1/8 | 1分 | |
1/4 | 2分 | 2/8 |
3/8 | 3分 | |
1/2 | 4分 | 4/8 |
5/8 | 5分 | |
3/4 | 6分 | 6/8 |
7/8 | 7分 |
分とインチの関係
そもそもなぜインチを「分(ブ)」に直して使うようなったのかというと…
日本で昔使われていた1より小さい数の単位の表し方の
何となく小学校の授業で習ったような気がしますよね。
なので「16/5」のインチネジ →分母を8に直して「2.5/8」二分五稟(ニブゴリン)ち表記することもあります。
ミリネジとインチネジは互換性はない
ミリネジとインチネジには互換性がないので双方を代わりに使うことはできません。
そもそもミリネジ とインチネジ はネジ山の数と間隔が違います。
似たような太さでも、ネジはわずかなちがいでうまくかみ合わなくなります。
正しく組み合わさらずきちんとねじ込むことができないのです。
ねじ込めたとしても引っかかりのない状態で、「ただ入っているだけ」という危うい状態になりますし、無理に入れると入り口だけ半端に入ってしまったり、ネジもネジ穴もダメになってしまうことがあるので要注意です。
近いサイズのものであれば、応急処置としてちょっとした固定には使用できるかも知れませんが強度的にもおすすめできません。
※ウィットねじとインチねじもネジ山の角度が違うため互換性はありません。
インチネジ の購入方法
インチネジ はネジ専門店やインターネットで購入することができます。
海外で作られた家具の組み立てや修理などでインチネジを探していたり、ホームセンターで探したけれど扱っていなくて困っている方も中にはいますよね。
ホームセンターは「ミリネジ 」をメインに取り扱っています。
インチネジ が欲しい場合はインターネットで検索する方が早いかもしれません。
まとめ
長くなってしまいましたが、最後にまとめると
- ネジには「ミリネジ 」「インチネジ」があり日本でよく使われるのは「ミリネジ 」
- ミリネジ はネジの太さなど「ミリ」で表す
- インチネジ はネジの太さなどを「インチ」で表す
- 「◯分」表記するのは「インチネジ 」だけ
- 「◯分」の◯は、1インチ以下のネジの分母を8にした場合の分子
- 「ミリネジ 」と「インチネジ 」は互換性がない
となります。
ネジを探す場合、間違わないように気をつけてくださいね。