車中泊は春夏秋冬いつの季節でも楽しめます。
でも「冬」に車中泊をする時は事前の対策がとても大切になってきます。
寒かったら「エアコン」つければ良いんじゃないの?と思っている方もいますよね。
でも実は、エアコンのつけっぱなしは「一酸化炭素中毒」になる危険性がひそんでいるため注意が必要なのです。
ここでは「冬の車中泊」の
- 一酸化中毒の危険性と対策
- 一酸化炭素中毒の症状
- 一酸化炭素警報器
についてまとめてみました。
【冬の車中泊】一酸化炭素中毒の危険性
一酸化炭素中毒とは、空気中の一酸化炭素の濃度が上がり様々な中毒症状を引き起こすこと。
「一酸化炭素」とは無色透明・無味無臭の「毒性の高い気体」です。
この「一酸化炭素」の濃度が高くなるにつれて、頭痛やめまいや吐き気、最悪な場合は死に至ります。
特に、一酸化炭素中毒は、自覚がないまま危険な状態になることも多いことが特徴的です。
冬の車中泊で一酸化炭素中毒が起こる理由
車のエンジンの排気ガスに含まれている一酸化炭素が、車の隙間やエアコンの外気道入り口などから車内に入ってしまうため、です。
通常なら、排気ガスはマフラーから車外へ排出されます。
ところが雪などでマフラーが塞がってしまうと排気ガスが車内に逆流、充満し気づいたら一酸化炭素中毒にかかってしまうのです。
冬は「車の暖房を常に入れている」方も多いですよね。
特に、車中泊では夜眠るときに「エアコンの入れっぱなし」する方がたくさんいます。
寝ている間に大雪が降るなどしてマフラーが埋まってしまう事もあり、注意が必要です。
なぜ「一酸化炭素中毒」が起きてしまうのか
一酸化炭素中毒が起きてしまうのは、血液中にあるヘモグロビンととても結ぶつきやすい性質を持っているためです。
ヘモグロビンは血液中の酸素を運ぶ役割をしていますが、一酸化炭素はその働きを阻害し、身体の臓器に酸素を行き渡らなくさせます。
ヘモグロビンと一酸化炭素との結合力は酸素の約200倍!!
200倍ってすごいですよね。
空気中の一酸化炭素の濃度が上がり、ヘモグロビンが一酸化炭素が結びついてしまうと、酸素の運搬能力は著しく低下します。
先ほども書きましたが一酸化炭素の怖いところは無味無臭で強い毒性を持っているというところ。
中毒症状を起こすかたの多くが気づかないうちに一酸化炭素を吸い込んでしまい、危険な状態に陥ってしまうのです。
「一酸化炭素中毒」は、ちょっと頭痛がするなと思ったときには、すでに遅いことが多いです。身体を思うように動かせなくなるなど「いつの間にかかかっている」怖い病気の一つです。
一酸化炭素中毒の症状は?
では、一酸化炭素中毒になるとどのような症状が現れるのでしょうか。
一酸化炭素中毒の症状は、なかなか気づきにくく重症化しやすいため注意が必要です。
一酸化炭素中毒【症状】
一酸化炭素中毒の症状はゆっくりと進行していきます。
軽度:頭がぼうっとする、顔が赤くなる、
悪化:頭痛、耳鳴り、疲労感、めまい、吐き気・抹消神経の麻痺・手足のしびれなど
重症:すさまじい吐き気や頭痛、意識消失、意識障害
初めは「疲れたかな?」と感じる程度の症状ですが、徐々に悪化し、すさまじい吐き気や頭痛の後に意識を失ったり、昏睡状態に入ることもあります。
車のような狭い空間は、一酸化炭素濃度があっという間に充満し、重症化しやすくなるため特に注意が必要です。
顔のほてりを感じたり、脱力感や頭痛、目がチカチカするなどの症状を感じたら一酸化炭素中毒の恐れあり、です。
まずはすぐに換気するようにしましょう。
一酸化炭素中毒は「後遺症」が残る?
一酸化炭素中毒は、一酸化炭素の濃度が高かったり、脳に酸素が行かなかった時間が長い場合は、後遺症を起こしやすくなります。
一酸化炭素中毒【後遺症】
主な後遺症の症状は次の様になります。
また、一酸化炭素中毒になった数年後に「認知症」として症状が現れる場合もあり注意が必要です。
一酸化炭素中毒の「応急処置」の方法は?
一酸化炭素中毒の症状が現れたときは、タオルやハンカチなどで鼻と口を覆い、すぐに換気を行います。とにかく新鮮な空気を体内に取り入れることが大切です。
後遺症を残さないためにも、症状がたとえ軽度だったとしても医療機関を受診しましょう。
助けるときは?
一酸化炭素中毒に陥っている人を助けるときは、自分も中毒になってしまう「二次災害」が起こりやすいため要注意です。
助けに行くときは、一酸化炭素を吸い込まないように鼻や口元をタオルなどで覆ったり息を止め、まず換気を行いましょう。
そして、新鮮な空気を吸える場所まで運び出します。
体内の酸素が消費しないように、なるべく動かさないようにしてくださいね。
車中泊の一酸化炭素中毒の原因と対策
「冬の車中泊」と「一酸化炭素中毒」の主な原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
また、どうすれば一酸化炭素中毒になるのを防ぐことができるのでしょうか。
原因1:寒いと「排気ガス浄化装置」が働かないため
ガソリンを燃焼させると一酸化炭素や炭化水素など有害な「排気ガス」が発生します。そのため、車には「排気ガス」を出さないようにする「排気ガス浄化装置」の設置が義務付けられています。
ですが、この「排気ガス設置装置」は、一定温度以上になって初めて清浄化機能が働きます。
冬の寒さの中では正常に機能しない事もあるため、「一酸化炭素中毒」のリスクが高まります。
【対策方法】
こまめに換気を行いましょう。
寒いからと言って暖房をつけっぱなしにするのは危険です。車中泊をするときは、防寒対策をしっかり行い、車内が少し温まったら暖房を切ると予防できます。
原因2:積雪などにより排気口(マフラー)が塞がれるため
車の周りに雪などが積もると、排気口が塞がり排気ガスが外に逃げられなくなります。
塞がれた排気口の「排気ガス」は車の下などに溜まり続けます。
溜まった排気ガスが窓やドアの隙間、エアコンの外気道入り口などじゃら車内に逆流し、一酸化中毒を起こす危険があります。
【対策方法】
排気口が塞がらないようにこまめに確認するようにしましょう。また、排気口が完全に埋まってしまった場合はエンジンをかけないようにしましょう。
※排気口が塞がった状態でエンジンをかけるとエンジンの故障の原因にもなります。
原因3:周りの車の「排気ガス」が車内に入り込むため
周りの車が排出した「排気ガス」が、車内に入り込み一酸化炭素中毒の原因になり場合もあります。
冬季以外でも、混雑した駐車場などアイドリングしている車が多居場所は注意が必要です。
【対策方法】
車中泊をするときは、アイドリングしている車の近くに駐車しないようにしましょう。
車中泊で一酸化中毒を予防する一番の方法は、「アイドリングをしない」ことです。
車中泊をする場合は、エンジンをかけたままにしなくてすむよう、事前に対策を行っておくことが大切です。
車中泊の寒さ対策について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
車で使える一酸化炭素警報器チェッカー
車内で火気を使用するキャンピングカーに取り付ける「一酸化炭素警報器」は有名ですよね。実は軽自動車などの普通自動車でも使用できる「警報機」もあります。
【警報機の内容】
車内にその警報機を置き、一酸化炭素の濃度が基準値以上になると、ライトが点滅したり警報音声を発っする装置。
amazonなどで、安いものなら1,300〜2,000円位で売っているので、冬季に長期間車中泊で旅をする予定がある方は、ひとつ持っておくと安心かもしれません。
しかし、1,300円位のものは海外の輸入品で、安っぽく、本当に大丈夫?という感じがするのも事実です。
より安心したい方は、ドッペルギャンガーブランドの一酸化炭素チェッカー2をおすすめします。
この商品はAmazonでは販売しておらず、楽天で購入できます。
値段は11,000円ほどで購入するのに躊躇しますが、命がかかっていると思えば安いものかもしれません。
【冬の車中泊】一酸化炭素のまとめ
気づいたら動けなくなっている危険がある「一酸化炭素中毒」は、ガスの発生に気づくのが早ければ早いほど危険を回避することができます。
また、「一酸化炭素中毒」の症状などの特徴を把握しておき、体調が「おかしいかな?」と感じた時は、急いで換気を行い新鮮な空気を取り入れ、早めに対処することも大切です。
ぜひ、病気や怪我をすることなく、楽しい車中泊の旅をお過ごしください。