故人が逝去した後、数年ごとに行われる年忌法要はよくわからないことが多いですよね。
亡くなられた方の供養する法要は、お葬式から始まり一回忌、三回忌、七回忌…と続き、長い場合は五十回忌まで行われることもあります。
回数と年数を重ねるこの年忌法要ですが、いつまで行えば良いのか迷う方もたくさんいます。
特に、三回忌を終えてから年数が空く七回忌が必要かどうかを考える方が多いようです。
日程やお招きする人、会場や食事の手配などいろいろ準備が必要な法要を、本心ではやりたくないのにイヤイヤ行うのは本当に正しいのかどうかも気になるところなのではないでしょうか。
そこでここでは
- 七回忌法要は必要か不要か
- 法事をしない選択は罰当たりなのか
について分かりやすくまとめてみました。
七回忌法要は必要か不要か?
七回忌法要は、絶対に必要なわけでもかといって不要なわけでもありません。
そもそも法要は必ず何回忌までやらなければいけないという決まりは特にないです。
年忌法要の回数やいつまで行うかは遺族が自由に決めることができます。
特に最近は年忌法要も簡略化される傾向が強く、三回忌までは普通に行うけれど七回忌は親族や施主だけで行うことも珍しくありません。
また、「法要はなくていい」と生前に家族に伝えていたり遺言を残す方も増え、法要自体を行わない家が多くなっているのも事実です。
実際問題、親族や関係者が集まる法要は何かとトラブルも起きやすいですよね。
わざわざ集まって嫌な気分になるよりも、親しい人に温かく思い出してもらったりお墓参りや仏壇に手を合わせてもらう方がいいと考える方も多いようです。
七回忌に限らず年忌法要をいつまでやるかは遺族が自由に決めて良いということです。
七回忌法要をしない
現在は、七回忌法要をしない選択をする方も増えてきています。
冠婚葬祭の常識は昔とは大きく変わってきています。
現に、お葬式もお通夜や告別式を行わず「火葬」のみを行う方や、家族のみで執り行う「家族葬」などを選ぶ方も多いです。
コロナが流行してからは特に家族葬を選ぶ方も多くなり、「家族葬」を専門とするセレモニーホールを見る機会も多いです。
昔は冠婚葬祭の行事は皆が一様に似たような習慣で行ってきました。
「周りの家がみんなやているから同じようにやらないといけない」という意識下のもと法要をしていた方の方が多い時代でした。
ですが、時代が変わるとともに個々の価値観も変わってきています。
心のどこかで「金銭的に大変だな」「やりたくないな」「面倒だな」と感じて法要を開くより、故人を思い毎日供養し、手を合わせることの方が大切という形式ではなく心で故人を偲ぶ方も多くなってきています。
「いい加減な人」という見方の人がいるのも現実
昔ながらの習慣を重んじている方の中には七回忌を行わないのはいい加減な人という見方をするのも残念ながら現実です。
「僧侶を呼んで、読経してもらい、親族が集まって会食をしないと親不孝」という考え方の人も実際にいます。
ですが、法要をしないからといって、亡くなられた方の供養を疎かに考えているわけではないですよね。
現実問題として法要はお金も時間もかかります。
このご時世、生活するだけでも大変で金銭的にも時間的にも余裕がない家も少なくありません。
法要のためにお金を使い、生きている人が苦しむのは本末転倒です。
時代が変わるとともに、家庭の事情や優先順位が変わってきているだけです。
もし可能であれば、生前に法要をどうしたいのかを聞いておくとトラブル少なくて済むので確認して見てください。
そうでない場合は、兄弟姉妹など遺族の意向優先で決め、あとは誰が何をいってきても気にしないのが一番です。
法要をしないと罰が当たるの?
法要をしないからといって罰が当たることはないので安心してください。
お葬式や法要などは仏教の教えに基づくとよく耳にしますよね。
現在の日本の法要は仏教の考え方をもとに行われていると言われていますが、お釈迦様が説いた本来の仏教には法要などの仏事はありません。
日本に年忌法要の考え方が伝わってきたのは鎌倉時代以降です。
伝わったばかりの頃は三回忌までだったのが年が経つごとにどんどん増え続け、五十回忌、百回忌となっていったのです。
そして、日本で現在行われている法要は、「追善供養(ついぜんくよう)」の一種です。
法要は亡くなられた方を思い、生前にいただいた恩に感謝し報いるために行うものです。
罰が当たらないようにするものでも、亡くなられたかたが化けて出ないように魂を沈めるものでも、僧侶にお経を呼んでもらうためのものでもありません。
七回忌をしなくても罰は当たりません。
故人を思い、偲び、手を合わせて供養をすることこそが大切なことです。
まとめ
七回忌を含め、法要は必ず行わなければならないものではありません。
大切なのは故人を思い、偲ぶこころです。
法要としての行事ではなく、普段から生前の恩に感謝し供養することの方が大切という考え方もあります。
七回忌を行わなかったからといって罰があたったり常識はずれというわけではないので故人の遺志や遺族の意向を大事にしてあげてくださいね。
ですが、法要は普段なかなか会えない親戚や兄弟姉妹など顔を合わせるきっかけのひとつになるのも事実です。
もし家族親族の意向が合うのであれば、七回忌法要を調整してみるのも良いかもしれません。