日本人だけど日本語に迷うことってありませんか?
迷う言葉のひとつに挙げられるのが「少しづつ」と「少しずつ」です。
- あれ?どっちが正しい?
- 意味って違ったっけ?
など、いざ書いてみたときに疑問に思っている方もいますよね。
実は「づつ」「ずつ」の使い方は多くの方が迷いやすい表記です。
そこで、ここでは「少しずつ」「少しずつ」の違いやどちらを使用するのが正しいのかについてまとめてみました。
少しづつと少しずつの違いは?
結論から言うと、「少しづつ」と「少しずつ」の意味は全く同じです。
少しず(づ)つの意味
「ちょっとずつ」「徐々に」「僅かずつ」と同じような意味で「一つ一つの量は僅かでも回数を重ねながら段々と進んでいくこと」です。
では、意味は同じなのになぜ、「少しづつ」と「少しずつ」の2つの言葉あがあるのでしょうか?
その理由は、文化庁が定める「現代仮名遣い」が関係しています。
「現代仮名遣い」とは
「現代仮名遣い」は、現在一般的に用いられている言葉です。
言葉は、時代とともに変化していきます。
ちょっとだけ、古典や古文の授業を思い出してみてください。昔使われていた言葉の中に書き方は違うけど発音は一緒というものがあったはずです。
例えば…
- けふ→きょう(今日)
- てふてふ→ちょうちょう(蝶々)
- きうり→きゅうり
- おぢいさん→おじいさん など。
昔使用していた言葉は「歴史的仮名遣い」と呼ばれています。
歴史的仮名遣いを現代の表記に近づけて表記を定めたものが「現代仮名遣い」です。
そして、「少しづつ」と「少しずつ」は以下の分類になります。
- 少しづつ=「づつ」は歴史的仮名遣い
- 少しずつ=「ずつ」は現代仮名遣い
学校での授業や公用文書、新聞、雑誌などは基本的に現代仮名遣いを使用しています。
昔の書き方が現代版に変更されたので同じ意味で2種類の表記ができた、ということです。
少しづつと少しずつ、どっちを使うのが正しい?
ではどちらが正しいかというと、「どちらも正しい」というのが正解です。
一見、現代仮名遣いである「少しずつ」を使うのが正しく感じますよね。
実は現代仮名遣いが初めて公布された昭和21年は「ずつ」が原則で「づつ」は間違いとされていました。
ですが、その後、昭和61年に改定されてからは以下のように変更になっています。
表記は「ずつ」を原則とするが、「づつ」も許容する
したがって、どちらを使っても間違いではありません。
現在は原則が「ずつ」なので学校や新聞などは基本的に「少しずつ」が使われています。また、原則が「ずつ」なので一般的にも「少しずつ」が使われることが多いのです。
なので「どちらを使えばいい?」と言われたら「少しずつ」の使用をおすすめします。
まとめ
「少しづつ」と「少しずつ」の意味は全く同じです。
主に昔使われていたのが「少しづつ」で、一般的に現代使われているのが「少しずつ」です。
現在は原則として「少しずつ」が使用されていますが、どちらを使用しても間違いではありません。
言葉の使い方も時代とともに変わっているんだな…と歴史を感じますね。