愛情不足で育った大人は子供のままで大人になれない場合が多い。
理由は、大人になってもずっと未消化だった子供の感情が心に残り続けているためです。
ただし、本人はこの未消化の感情に気づいてはおらず、無意識的に子供の頃の未消化の感情に支配・コントロールされています。
つまり、ほとんど無意識に人生を生きています。無意識に感情に支配されていることに気づいていないので、本人にはまったく自由意志はありえません。過去の操り人形と化します。
ある条件が整えば、自動的にその感情に支配されます。それも、無意識に、瞬間にそうなります。突然キレるなどもこのこの例です。「多重人格」や「人格乖離」と言われるのもこの範疇になると思います。
ここでは、愛情不足の結果なぜ、「大人になれないのか?」「突然人格が変わり感情に支配されるのか?」「どういう恋愛観を持っているのか?」「接し方」などについて、書いてみたいと思います。
なぜ、愛情不足に育った大人は子供のままなのか?
結論を先にいうと、子供の頃の感情を抑圧したまま、ずっと放置して、その感情と向き合わず生きてきてしまっているからです。
抑圧された感情は、「押入れの中のお化け」のようなものです。
辛い感情だからもう見たくない、なかったことにする、無視する、抑圧する…このようなことが子供時代に心の中で行われます。自分の頭ではなかったことにできたと思っていますが、その感情は残り続けます。
現実逃避する子どもの策略
これはつらい現実から逃避するための、子どものが自分を守るためです。
そして、このなかったことにした子供の頃の感情に私たちは操られるのです。
主に、怒り、悲しみ、寂しさ、愛してほしい、かまってほしい、見てほしい…などの子供の素直な感情です。
頭、知識では感情には太刀打ちできません。論理、知識は感情に吹っとばされます。ある瞬間は抑圧して、勝ったように見えますが、感情は反動するのでいずれは感情が勝ちます。
子供の感情が事あるごとに、噴出して、いつまでたっても感情が流れていかないのです。だから、子供のままになってしまうのです。
過去にあった感情を、なかったことにはできない
だから、過去にあった感情を、なかったことにはできないんです。一度心に抱いた感情は、引っ張り出して、昇華してあげなければなりません。
この過去の感情(子供)が昇華できないから、いつまでもあなたに取り付き、あなたを支配するのです。
だから、常に愛情を他人に求める。承認を求める。自分のことしか考えられない。という子供の特徴がずっと取り付き続ける。
そのため、外見が40歳だろうと60歳だろうと、本質的な精神年齢が3歳~12歳というとになります。死ぬまで気づかずに生きている人間もいると思います。だから、現代には、いい年になっても、子供っぽい自己中心的な人が多いのです。
なぜ、子供の頃に感情を抑えなければならなかったのか?
親が感情を抑圧している場合は、親の行動をみて、感情を抑圧することを学びます。
また、現代社会の学校や社会も根本的に抑圧を前提とし、また感情的ではないことを推奨し、従順な良い子でいることに価値を置いています。
学校や社会は、ロボット生産工場と化しています。ロボット人間がロボットの子供を作る。そもそも、感情がないなんて、人間じゃないですから。いつでも笑顔で朗らかでなんてありえない。
感情を抑圧すれば、やりたいことがわからなくなるのは、当たり前。感情こそが、自分を導く道標となります。
本来ルールは自分で決めるもの
私たちが生まれた赤ちゃんの時には、ルールなんてないです。
本来は自由にのびのびと自然に生まれ出るエネルギーがあります。これは、自然を見ればわかります。何もしなくても木は生え、植物は育ちます。
しかし、生まれ落ちた親や社会は、子供に「こうしなさい」「ああしなさい」「そうしないと生きられない」「怒りはよくない」「悲しみは悪いもの」など、あらゆることを言い、恐怖によって子供を支配しようとします。管理しやすいように従順な奴隷にします。
恐怖で子供が本来持っているエネルギーを抑圧します。
それも、無意識に悪気なくやってしまうので本当に困ってしまうのですが…。
つまり、誰もこの社会の前提がかなりおかしい。間違えている。とは思っていないのです。教育も政治も法律も狂気の沙汰とは考えない。むしろ、自分を守ってくれるものだと思っている。
土壌が腐っていれば、芽はうまく育たない
例を先程の、植物に例えるならば、
この社会、時代の土壌が腐りきっています。その腐った土壌に新しい芽を植えるのですが、土壌が腐っているので芽がうまく出ないのです。
しかし、社会のせいにしてもこの問題はどうにもなりません。いつの時代も社会は狂っていたんですから。
私が結論としているのは、何者のせいにもせず、すべてを自分の責任として行く生き方です。
現代人は多重人格者で自由意志がない
抑圧された感情が増えれば増えるほど、無意識的に生きざる負えなくなります。そうすると、人は抑圧した様々な感情に支配されます。
抑圧した感情は一つとは限りません。いくつも感情を抑圧しています。
ある条件下では、ある感情(人格A)が噴出し、ある条件下ではある感情(人格B)が噴出します。これは本人が気づいていないので、自分にコントロールできません。
感情を抑圧し、無意識に生きている人間に、自由意志などないのです。
このような人間の割合が現代は多いにも関わらず、感情を抑圧し無意識的に生きていることや、自由意志がないということに気づいていないのです。これほど恐ろしいものはないですよね。
次に、事件が起きた時のよくある【コメント】を見てみたいと思います。
抑圧された無意識の感情や防衛パターン
時々、事件が起きてあの人は「普段はいい人だったのに」と言いますが、それはこういうことです。
ある時には、「いい人」を演じるという、仮面を被った人格が出ますが、違う環境条件がそろうと途端に人格が変わります。
抑圧的・無意識的に生きている人間には自由意志がなく、瞬間に人格が変わるので、ある条件下である刺激が入ったら、感情が吹き出し、そういう行動を取らざる負えなくなってしまうのです。本人にはどうしようもないのです。
抑圧された感情の力は本当に凄いです。
また、幼少期の段階で自分を守るための防衛パターンを無意識に身に着けてしまっていて、これも自動的に常に働いているので、自分で自分のおかしさに気づけないようになってしまっているのです。
では、そういった人間の恋愛観はどういうものなのでしょうか?
愛情不足で育った大人の恋愛観
男性と女性で本質的な違いはありません。
本質にあるのは、「愛されたい!」「認められたい!」という子供の感情です。
そこには飢餓感があります。
食べ物が食べられない飢餓感をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
3~8歳の子どもが、僕を、私を、「愛して!認めて!」と僕や私にフォーカスしているので、かなり自己中心的な要求を相手にすることになります。つまり、恋愛対象の相手は見ていないのです。
見ているのは、「自分が愛されたい!」「満たされたい!」なので、自分が満たされることだけを見ています。
なので、相手が自分の欲求を満たしてくれないとわかった瞬間、簡単に相手を切ります。
相手からしたら、え、なんでそんなことで?と思えるようなことで。
人を愛することができない
この状態の人間は、人を愛することはできません。
他人に愛を求めることしかできません。自分の愛への飢餓感でいっぱいっぱいで何かを愛する余裕がないのです。こういう人間は、ずっと何かを求め続けています。
理想世界を求め続けています。自分のすべてが受け入れられる理想世界がどこかにあるはずだと。この探求はつらいです。いつも失望に終わる羽目になるので。
本質的に他者と関係を築くことができない
この状態の人間に、恋愛を含め、他者と関係を築くことが本質的にできないのです。
他人を見ることもなく、他人を思いやることもなく、ただ、自分の欲求だけを見て、相手を自分の欲求のために利用するのですから、必然的に関係は成り立たなくなります。
相手を求めるが、常に失望に終わるのです。
本人は自分がやっていることの酷さは見えません。客観性がないので。
こういう人間が立ち直るには相当な年月がかかります。
では、愛情不足で育った大人の【接し方】はどうなってしまうのでしょうか。
本当にその人をなんとかしたいと心から思えている場合は、ガチンコでぶつかることです。本気さや気迫が大事です。中途半端はよくないです。
愛情不足で育った大人の接し方は?
愛情不足で育った大人は、本気で向き合ってくれる人や本気で叱ってくれる人をどこかで求めています。本気で向き合って下さい。そして、相手が誤魔化そうとしたり、逃げようとしても、逃さないで下さい。
必ず逃げようとします。
ずっと自分から、自分の感情から逃げ続けて生きてきた人間なので、しょうがないのですが、とことんまで食い下がって下さい。
逃げるな!と。
よく馬鹿なカウンセラーが、そうですね。そうですね。って受け入れれば言えばいいといいますが、ダメです。そんなんじゃ救われません。
愛情不足で育った人間との接し方は、技術や方法ではないんです。気持ちと気持ちのぶつかり合いなんです。
その中で過去の感情が浮上し昇華される場合もあります。ただし、長い年月がかかると思って下さい。
接する側の気持ち次第
接する側の気持ち、精神力がかなり大事になります。
本を読んでこう言えばいいと書いてあったから、こう言うというのは最悪です。あなたの気持ちが伝わりません。そもそも、そんな台詞の嘘くささは自分がよくわかってるし、他人にもバレています。
大切なのは、現実に苦しんでいる相手とあなたの気持ちなのだから。ちゃんと気持ちや想いを伝えて下さい。
そういう意味で、私はカウンセラーやそれ系の本で人は救われないと思っています。
ちなみに、良いカウンセラーの特徴だけいいますね。
良いカウンセラーの特徴とは?
一番大切なポイントは、その人間からエネルギーを感じるかどうか。
薄汚れた暗いオーラをまとったようなカウンセラーはダメです。
見るからにエネルギーないよねみたいなものダメ。直感でいいです。
あと、やたらと喋る人や心理学用語で誤魔化そうとする人もダメですね。
これは法則なんです。
エネルギーの低い人間は、エネルギーを高い場所へは連れていけません。
ただ気をつけて下さいね。
表面上だけの、薄っぺらな明るさややさしさを演じる人もいるので。
カウンセラーや心理学者の人って、お勉強はやるけど、人生経験からくる気合いやエネルギーがない場合が多いと個人的には思っている。
まとめ
まず、認めましょう。
私たちは過去の感情の奴隷であり、なにも自分を分かっておらず、無意識的・機械的に生き、自由意志など持っていないことを。
ここがスタート地点なんです。しかし、このスタートラインに立つことが本当に大変なんです。
これを本当に深いレベルで認められることがかなり大事です。頭だけでわかったつもりになりやすいです。わかったつもりも無意識に機械的に行われています。
現代は、ガチンコで向き合ってくれる人が、本当に必要とされています。知識や情報やスキルじゃないんです!これは声を大にして言いたい。
子育ても一緒です。
知識や情報やスキルに頼ろうとするのはどこか逃げ、楽したい、面倒という思いがあります。それが、さらに気持ちを萎えさせます。
料理も、機械を使えばいい、冷凍したものをチンすればいいという考え方と一緒です。ちゃんと手間をかけて、料理を作るからこそ、子供も一生懸命さを学び、感謝するのです。
自分の気持を確かめる
本気で自分がなんとかなりたい!相手をなんとかしたい!と思うなら、自分の気持ちをまず確かめることです。
本気でなんとかしたいと、本当に思っているのかどうか?
人は自分にも他人にも平気で嘘をつきます。そして、嘘をついていることすら気づいていません。
「気持ち」とは単語としては簡単に書くことができますが、気持ちの強さの幅は想像以上に大きいです。本当の気持ちを見つけ、本気で立ち向かえるようにお互いになりたいですね。
コメント
ずっと心にモヤモヤしたものがあって、つい最近あることがきっかけでそれについて考えていたことが自分なりに結論づけられたので自分と同じことを抱えた人はいないか探そうと思ってネットで検索してみるとこの記事に出会いました。
まさにこれだなと思って感動してこのコメントを書いています。
この記事を見て観念的に理解していたことが心の底からわかるというような深いレベルで自分の中に落とし込まれた感覚をとても感じます。
とてもスッキリしました。
本当に素晴らしい記事でした。ありがとうございました。
ありがとうございます。
お役に立てたようで、私も嬉しいです(^o^)